きよしこ

2005年11月29日 読書
今日は純粋に日記。
今日は外来日でしたが、火曜日はいつもどおりそれほど忙しくはなく、一人ひとりとペースを落として話をすることが出来ました。
電子カルテにのパソコンのキーボードを破壊的に叩く子供や、舌圧子を異常にほしがる子供、その間隙をぬって診察を行なうので、自然と声を張って診察してたら、ガラガラになりました。
今日の肝っ玉。1歳女児、走り回っていてこけて、ドアで頭をぶつけ、あまりの音の大きさにびっくりしたので、
「大丈夫ですか」と母に言うと
「音の割りに、すぐ泣きもせず、また走ってるから大丈夫、気にしなくていいです」と豪快に言われた。そして子供も豪快に走っていた。

午後は発達のフォローなどの子をゆっくりと見て、あとは小児科の検査、処置の看護師向けマニュアルを地道に作って一日が終わりました。

自宅に帰ってからは重松清の「きよしこ」を読みながら、「リンカーン」ちらちら見てます。。

*きよしこのあらすじ*
吃音があり、「カ行」と「タ行」が上手く言えないシライシキヨシ。父の仕事柄、何度も転校をする度に自己紹介しないといけないけど、自分の名前が上手く言えない。

小学1年の時、「きよしこの夜」の歌詞を勘違いした少年の元に聖夜に現れたきよしこは「伝わるよ、きっと」と少年に言う。

短編集で、特に心に残ったのは
『乗り換え案内』小学3年:転校先の教師は吃音を障害だと言いセミナーへ通わされ、もっと吃音をもつ加藤君。うまく話せない
二人は思ったように会話は出来なかったけれど心を通わす。そのセミナーに「あせらなくていいのよ」というPTAの訳知り顔のおばさんがやってきて、流暢に「からかわれても気にするな」とかいう。そのおばさんに怒りをあらわにする、加藤君、でも言葉にならない。吃音をもつ子供に言いそうな感じの台詞なんですけどね。子供はそんなこといわれても、気にするでしょう。
『北風ぴゅう太』小学6年:転校先の担任は少年の文才を認めクラス全員にセリフを言わせる、お別れ会の劇の脚本を作れと言う。少年にも言いやすい言葉を考えろという。劇を考えて作り上げるんですが、その担任の先生のあったかい感じが短編のラストでぐっと泣ける。
『東京』高校3年の時、図書館で知り合い付き合い始めたワッチ
。少年の言葉の先を読む勘のいい彼女で代わりに言いたいことを言ってくれるのに、彼は自分の進みたい道のために、彼女との別れを告げるのですが、その彼女のさわやかな優しさも涙腺刺激ですね。

じっくり時間をかけて読みたい短編集でした。ざっとよんでしまったけど。
ISBN:4101349177 文庫 重松 清 新潮社 2005/06 ¥460

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