「今,○○が流行っているんです」
と心配そうに言われると,多分違うだろうなあ,と思いながら,一応検査キットを取り出す弱気な私。
(冬場なら○○はおおむねインフルエンザが入り,今時期うちの地域ならプール熱や溶連菌などが入ります。)
インフルエンザは時間が早いと出ないことが多いし,プール熱や溶連菌なら咽頭所見である程度出なさそうなものは予測がつくのですが,私の診断能力はまだまだで100%自信があるわけではないのです。そういうわけで私は患者さんが望めば,
「多分違うと思います(まだでないと思います)」など自分の考えを述べて検査をすることにしています。
でも私も医者である前にひとりの人間なので,言葉ひとつで気分良く検査をしよう,と思えないこともあります。同じ言葉でも言い方ひとつ。思いっきりストレートに入ってくるなり
「インフルエンザの検査をしてください」とか言われたりすると・・・がっくりです。そんなんだったら,薬局で検査キット売ってくれたら良いのに,医師の診察はいらないってことねって。

あと,夜の当直で出会う人はその場限りの出会いなのでお互い知らない者同士,警戒心はあるでしょうが,私は眠くて最初は顔は笑顔がなじまなくても診察終了時までには笑みを浮かべて患者さんを送り出す努力はしています。
夜分遅くすみませんまで言わなくてもいいから,一言,「こんばんは」とか言ってくださったり,こっちが言ったことに返事をひとつするだけでも(呼び込んでも返事もなくどっかと椅子に座ったり,薬の説明にもうなづきも相槌のない人,本当にいます),こっちの気持ちは大分違うと思うのです。

と当直をした次の日は思います。でもお母さんたちの様子はともかく,子供がかわいく「あっがとうございました」とたどたどしく言ってくれたり,にたっと笑ってくれるだけで少し癒される安上がりな私ではあるのですけど。

コメント

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年6月27日1:15

そうですね.患者さんの「ありがとう」の一言で医師としての自覚がより強くなりやる気も出てくるような気もしますね.

かあこ
かあこ
2006年6月27日7:07

脳外科医さま
子供のたどたどしい,ありがとうは本当に癒されます。小児科冥利に尽きます。

nophoto
元小児科医
2006年6月27日10:14

うちの息子は現在耳鼻科に通っていますが(鼓膜を損傷したため)なぜか、処置にもなきもせず、終わった後、先生初め看護婦さんたちに”あっと”と丁寧なお辞儀をしていつも帰ってくれます。親ながら”根性座ってるな〜”といつも感心している限りです。彼にとっては、どーんと来い!って感じです。

かあこ
かあこ
2006年6月27日11:17

元小児科医さま
耳鼻科通いのお子様方は大抵,病院嫌いになって今まで泣かなかった小児科のところで泣くようになる子が多いですよね。しかし,度胸あります,息子さん。将来が楽しみですね。

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