農家の二男で、野良仕事を嫌い、儲け話にすぐ飛びつくような地に足のつかない父作四郎に連れられ、とわは2歳で、母つねと兄直一とともに、夜逃げ同然で福島から北海道に開拓民として移り住む。
そこで待っていたのは、国が謳う夢とは程遠い過酷な環境。そんななか一家は北海道で必死に生きていこうとするが。。。

主人公はとわで、45歳までの時代を大正末期から昭和30年代までの時代背景とともに描かれてます。
厳しい現実ばかりで、うまくいかないこと続きの半生ですが、異常に悪い人とか、異常に運が良い人とかは出てこないし、そこが割とリアル。とわが走るのが早いエピソード出たときは、オリンピック選手?、小樽の奉公先でお坊ちゃんと映画観に行ったエピソードでは、もしやすごい玉の輿?、開拓民時代に知恵をいろいろ授けてくれた先住民の三吉が青年になって数年ぶりに再会する際には、これで反対押し切って自分の恋愛に生きるのか?、見合相手と結婚して商売上向きでこれはどんどん拡大か?3たび三吉と偶然の再会した時、相手がすごい素敵だったりする?といろいろ明るくなると思いきや、そんな夢物語は出てこない。
人生思い通りにいかないけれど、どうやってでも生きて行くのだというテーマが繰り返し出てきます。この時代の大部分の女性は自分で自分の人生を歩めなくて、男性に振り回されてばかり、とはいえその時代の大部分の男性も国の方針とかで自分の人生思いっきりっていうわけでもなかったわけです。

いい時代に生まれてきたなあとしみじみ思います。この人の作品、はまり中です。


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